すこしまえ

すぽんじ
そうつかいふるされたすぽんじ
のように
すかすかでぼろぼろな
のうみそでかんがえる

でもせんざいののこりかすが
かんがえたことをあらってしまった
ぽろぽろ
だいじな
ことも
あったような

いや
きっと
なかった
なかった

あったのはやはりくずだけだったのだ



（あるにりんしゃのぼやき）
うごかないってすごくらくさ、ぼくがうごかないってことはつまりしごとしないってことなんだけどさ、ほらそれってらくだろう、だいたいひとひとりささえるなんてそうとうなちからがいるんだよ、それなのにふたりぶんささえないといけないときだってあるんだ、たおれたってぼくのせいじゃないとおもうんだよ、それはにんげんのせいだろ、な。まあもうぺだるもさびついて、さどるもずたずただから、だれものってくれやしないんだけどね、それにしてもうごかないってほんとう、らくなもんさ。

BaV,-P_MJKp0A4Ht.J.

しあわせの
しぼりかすを
ひっしにかきあつめ
くちにいれても
くさったような
ちのあじがするだけ

この世

世界地図を見て憧れるだけ
なにもしらないけど

詩を読むだけ
なにもわからないけど

なにかをつくるだけ
なにもできなくても

文字を食べて絵をすすって惰眠に嘔吐して毎日が死ぬまで、



「所詮歩いてって食し属し色し触し贖し生きるのみで
蓋し小利在りて大利無くば来世願うのみと
さあ
舞踊舞踊舞踏今宵タップダンス披露したら
白い拍手浴びて一人檀の上でお辞儀を
願わくはまた来世で」



あたまがいたいのはあたまのなかのひこうきが、うんそうぎょうをおこたっているからで、のどがくるしいのは、のどのしゅえいさんがいねむりしているから、ねむれないのは、まぶたのじゅうりょうあげのせんしゅががんばるからで、なにひとつわたしのせいじゃないよ。



あしたあなたにわたしてください
うけとるのだ優しき少女 は
あなたのあなたは二人分
知っているので
わかってはいないけれど
気はくるってない
あしたあなたにわたします
あしたあなたにわたします

いきるならば

ゆめのなか
あるいても
からだは
ねているように
あたまの
なかだけ
はしって
いるのさ

じゅうねんごなんて
すぐくるだろう
さとうまぶした
けーきのせかいに
あまえてちゃ

きみもぼくも
ないふをもたねば
しろいくりーむと
てごたえのないすぽんじ
きってきって
すすまねば

じゅうねんごなんて
すぐきてしまう
あなたのははも
としおいる
じゅうねんごなんて
すぐきてしまう
たんじょうびけーきを
けいかいしろ
かれんだーがめくられるまえに
いまとわかれをつげておけ
なんねんなんかげつなんしゅうかんなんにちなんじかんなんびょういきたかはあくしろ！

まるのなか

がめんのなかに
かいがのなかに
からだのなかに
死があります
そのふちに
てつだとかの
つめたさ
その縁に
きんいろのかがやき
いっていをきざめない
しんぞうは
その淵に
じぶんのみらいをみました



あたたかいかそのなかは
もうふみたいにまきついているものを
おまえはなんなのだかしるまいよ
まくらのようにあたまをうずめさせているものを
おまえはなんなのだかしるまいよ

おまえははだかで
ふくなんていらなかった

そんなものも

いらなかった